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皆さんこんにちは
株式会社ミツバエンジニアリングです
~美しい塗膜と安全な作業環境を~
自動車部品、建築部材、家具、機械部品など、多くの製品には塗装が施されています。
塗装には、製品を美しく見せるだけでなく、錆、紫外線、薬品、摩耗などから表面を守る役割があります。
しかし、塗料を吹き付ける工程では、製品へ付着しなかった塗料ミストや溶剤蒸気が周囲へ広がります。
これらを適切に排出しなければ、作業者の負担、製品へのごみ付着、工場内のにおい、火災リスクなどにつながります。
塗装ブースや塗装装置は、単に囲いの中で塗料を吹くための設備ではありません。
空気の流れ、温度、湿度、ろ過、排気、照明、防爆や火災対策などを組み合わせ、安定した塗装品質と安全な作業環境をつくる設備です
今回は、給排気装置と塗装装置の設計製造技術について紹介します。
目次
塗装装置を設計する際は、どのような塗料を、何へ、どの方法で塗るのかを確認します。
手作業でスプレーガンを使うのか、自動機やロボットで塗装するのかによって、ブースの大きさや気流設計は変わります。
小型部品を吊り下げて塗る場合、大型の構造物や車両を塗る場合では、必要な作業空間が大きく異なります。
塗料にも、溶剤系、水系、粉体などさまざまな種類があります
塗料の粘度、乾燥方法、ミストの性質、使用量などを確認し、適切な排気・捕集方式を選びます。
塗装対象物の搬入方法、作業者の動線、塗料供給設備、乾燥工程まで含めて計画することが重要です。
塗装ブース内の空気の流れには、いくつかの方式があります。
横引き式では、ブースの一方から空気を取り入れ、反対側へ排気します。比較的構造が分かりやすく、さまざまな塗装設備で使われます。
上部から給気し、床側へ排気する下引き式では、塗料ミストを下方へ流しやすく、製品周辺の空気を均一に保ちやすい特徴があります。
ただし、床下に排気設備やピットが必要になる場合があります。
空気の流れが不均一だと、塗料ミストが一部へ滞留したり、作業者側へ流れたりします。
ブースの断面、給気口、排気口、フィルター配置を調整し、作業空間全体へ均一な気流をつくります
スプレーされた塗料のすべてが製品へ付着するわけではありません。
付着しなかった塗料ミストを、排気と一緒に捕集します。
乾式ブースでは、フィルターを使って塗料ミストを捕集します。
フィルターの種類、厚さ、配置を塗料量に合わせて選びます。
フィルターが詰まると排気風量が低下し、ブース内へミストが滞留します。
湿式ブースでは、水流や水膜へ塗料ミストを接触させて回収する方式があります
大量の塗装を行う設備で使われることがありますが、水質、スラッジ、配管、ポンプなどの管理が必要です。
塗料の種類や生産量を踏まえ、乾式と湿式のどちらが適しているかを判断します。
塗装面にほこりや繊維が付着すると、表面にぶつぶつや異物が残り、外観不良になります。
そのため、ブースへ取り入れる空気を給気フィルターでろ過します。
外気には、砂ぼこり、花粉、虫、繊維などが含まれています。
粗いフィルターで大きな異物を取り除き、より細かなフィルターで仕上げる多段ろ過を行う場合があります。
フィルター自体が劣化し、繊維を放出しないことも重要です。
給気ダクトやブース内部を清潔に保ち、フィルター交換時にごみを内部へ落とさないようにします
塗装品質は、塗料やスプレー技術だけでなく、ブースへ入る空気の清浄度にも左右されます。
塗装ブース内と周囲の圧力差も重要です。
ブース内をわずかに正圧にすると、外部のほこりが隙間から入りにくくなります。
一方、塗料やにおいを外部へ漏らしたくない場合は、適切な負圧管理が必要になります。
給気量と排気量を調整し、目的に合った圧力状態をつくります。
扉を開けたときや製品を搬入したときにも、気流が大きく乱れないようにします。
給気ファンと排気ファンの能力が合っていないと、ブースの扉が開きにくくなったり、周囲へミストが漏れたりします。
差圧計を設置し、正常な状態を確認できるようにすることも有効です
塗装品質は、温度や湿度によって変化します。
温度が低すぎると塗料の粘度が上がり、霧化や乾燥へ影響する場合があります。
高すぎると、製品へ届く前に塗料が乾き、表面がざらつくことがあります。
湿度も、乾燥時間、静電気、塗膜状態などへ影響します。
塗装仕様に合わせて、給気を加熱・冷却・除湿・加湿する設備を設ける場合があります。
外気条件は季節や時間帯で変化するため、一定の塗装品質を維持するには環境制御が重要です☀️❄️
ただし、空調能力を大きくするとエネルギー消費も増えます。
必要な範囲を明確にし、ブースの断熱や風量制御と組み合わせます。
塗装後の製品は、自然乾燥または乾燥炉で塗膜を硬化させます。
乾燥炉では、製品全体が適切な温度に達し、必要な時間保持されるように設計します。
炉内温度が表示値へ到達していても、製品内部や厚い部分が同じ温度になっているとは限りません。
温度センサーを複数配置し、炉内の温度分布を確認します️
熱風の吹出し方向が偏ると、製品の一部だけが過熱したり、乾燥不足になったりします。
送風経路、製品配置、コンベヤ速度を調整し、均一な加熱を行います。
排気によって溶剤蒸気などを適切に外へ出すことも必要です。
粉体塗装では、粉状の塗料を静電気などによって製品へ付着させ、その後加熱して塗膜を形成します。
液体塗料とは異なり、溶剤を使わない方式として採用されることがあります。
製品へ付着しなかった粉体は、ブース内で回収し、条件に応じて再利用できる場合があります。
回収サイクロンやフィルターを使い、空気と粉体を分離します
色替えを行う設備では、前の色が残ると製品へ混入するため、清掃しやすい構造が重要です。
ブース内面、ホース、回収設備を短時間で清掃できるように設計します。
静電気を利用する設備では、接地や粉体の管理も欠かせません。
手吹き塗装では、作業者と製品、吸込み方向の位置関係が重要です。
塗料ミストが作業者の顔や身体を通過してから排気される配置では、ばく露が増えます。
清浄な空気が作業者側から入り、製品を通って排気側へ流れるようにします。
作業者が製品の周囲を移動する場合は、どの位置でも気流が乱れにくい設計が必要です。
ブース内へ不要な物を置くと、空気の流れを妨げ、ミストが滞留する可能性があります。
作業台や治具の形状も、気流を考えて設計します。
塗装作業では、塗り残し、色むら、垂れ、異物などを確認する必要があります。
ブース内が暗いと、作業者が塗膜状態を判断しにくくなります。
製品へ影ができにくい位置へ照明を配置し、必要な明るさを確保します。
色の確認が重要な場合は、照明の色味も考慮します。
照明器具の表面へ塗料ミストが付着すると、明るさが低下します。
清掃や交換がしやすい構造にし、塗装環境に適した器具を選びます。
塗料や洗浄剤には、燃えやすい成分を含むものがあります。
使用する塗料、濃度、換気条件などを確認し、着火源を減らす設備設計が必要です。
モーター、照明、スイッチ、配線などは、設置場所と使用条件に適した仕様を選びます。
静電気が発生する設備では、接地を行います。
塗料缶や容器の取扱い、清掃用ウエスの保管など、運用面の安全管理も重要です⚠️
設備だけで安全を完成させることはできません。
設計者は、作業方法、保守、異常時の停止方法まで考えて提案します。
大量生産や品質の均一化を目的に、自動塗装機やロボットが使われることがあります。
一定の速度、距離、角度でスプレーガンを動かせるため、作業者によるばらつきを減らせます。
ただし、製品形状が変わる場合は、動作プログラムや塗料吐出量を調整する必要があります。
ロボットの動作範囲と作業者の立入区域を分け、安全柵やセンサーを設けます️
自動化しても、ノズル詰まり、塗料圧力、製品位置などの確認は必要です。
設備と人の役割を明確にし、安定した生産を実現します。
塗装ブースや塗装装置では、給気、排気、ろ過、温度、湿度、照明、乾燥などを総合的に設計します。
空気の流れが悪ければ、作業者へミストが流れ、製品にはごみや色むらが発生します。
適切な環境を整えることで、塗料の性能と作業者の技術を安定して発揮できます。
各種塗装装置設計製造業における技術とは、塗料を吹き付ける機械をつくることだけではありません。
安全で清潔な空気環境をつくり、同じ品質の塗膜を繰り返し生産できる仕組みを設計する技術です。
美しい製品の表面は、見えない空気の制御と設備技術によって支えられているのです️✨